【国試受験生必見】長期臥床(寝たきり)していると安静時心拍数は増える?減る?

 


 今日は国家試験で高確率で出題される問題の一つをみておきます。
 長期臥床つまり寝たきりになると、安静時心拍数は増えるのか、それとも減るのかです。丸覚えで対応しがちですが、論理的に考えると覚えていなくても、試験の時に度忘れしても、考えれば正解できます。
 ちなみに、第39回作業療法士専門問題の問68や第47回専門基礎の午前問66に関連する問題が出ていました。

心拍数問題の特徴

 試験では、長期的に寝たきりのような状態で不活動の結果出現してくる症状である、廃用症候群によって、1回の心拍出量と安静時の心拍数がどのように変化するのかという観点から出題されます。
 結論からいいますと、長期臥床の結果、1回心拍出量は低下します。一方、安静時心拍数は増加します。これが双方とも、低下あるは増加であれば覚えやすいため、出題に向かないかもしれませんが、片方は低下し、片方が増加するので回答者の混乱を誘えると仮定され、よく出題されるのかもしれません。

正解の導き方

 1)1回心拍出量とは

 1回心拍出量とは、名前の通りで、心臓が1回動くことによって心臓から出される血液量のことです。心臓は、心筋の力で血液を全身へ送り出しています。そう、筋肉によって血液を押し出しています。
 では、長期に臥床し、筋肉に負担をほとんどかけない生活を送るとどうなるでしょうか。筋は弱っていくことが想像できます。筋が弱ると、血液を押し出す力は、弱くなります。
 筋力低下の結果、1回あたりの拍出量は減少します。

 2)心拍数とは

 心拍数とは、心臓が拍動した数のことです。ここまでで、長期臥床により1回あたりの心拍出量は低下することが分かりました。
 では、心臓が動く目的をみていきます。それは、生命維持のために全身を栄養することが必要だからです。その栄養を送るのが血液であり、血液を回すことで栄養しているのです。  次に考えたいのが、長期に臥床しているからといって、生命維持のために必要な栄養の量は大きく減少するかです。わずかな変化はあるかもしれませんが、原則しません。なぜならば、基礎代謝を行うために最低限必要な量は決まっているからです。

 3)1分間心拍数の変化の導き方

 ここまで出た材料で、1分間の心拍数がどうなるか、以下のように考えることができます。

 1回あたりの血液排出量は減った しかし 必要な血液量は変わらない。 
↓ 
 1回のところ2回動いて必要なだけ血液を排出しなければならない 
同時間当たりの心拍数は増加する

 こうした思考を身に着けておくと、試験当日度忘れしても正解できますし、普段の勉強の時も理解がしやすいかと思います。ぜひ参考にしてください。

コメント